石原裕次郎 日本縦断 リサイタル

石原裕次郎 石原裕次郎 日本縦断 リサイタル歌詞
1.オープニング


2.赤いハンカチ

作詞:萩原四朗
作曲:上原賢六

アカシヤの 花の下で
あの娘が窃っと 瞼を拭いた
赤いハンカチよ
怨みに濡れた 目がしらに
それでも泪は こぼれて落ちた

北国の 春も逝く日
俺たちだけが しょんぼり見てた
遠い浮雲よ
死ぬ気になれば ふたりとも
霞の彼方に 行かれたものを

アカシヤの 花も散って
あの娘はどこか 俤(おもかげ)匂う
赤いハンカチよ
背広の胸に この俺の
こころに遺るよ 切ない影が


3.泣かせるぜ

作詞:滝田順
作曲:鶴岡雅義

離さない もう離さない
すがりつく あの娘の
長いまつげが 濡れている
それ程までに 愛してくれる
初心(うぶ)なあの娘の 純情が
ああ 俺を泣かせるぜ

貴方だけ ただ貴方だけ
なにもかも 貴方に
云ってはじらう 白い顔
夜更けの星が 見つめていても
抱いてやりたい いじらしさ
ああ 俺を泣かせるぜ

帰さない もう帰さない
いつまでも このまま
胸に抱かれて いたいのに
無情の風が 別れの時刻(とき)を
告げるせつない 夜の道
ああ 俺を泣かせるぜ


4.俺は待ってるぜ

作詞:石崎正美
作曲:上原賢六

霧が流れて むせぶよな波止場
思い出させてヨー また泣ける
海を渡って それきり逢えぬ
昔馴染の こゝろと心
帰りくる日を たゞそれだけを
俺は待ってるぜ

どらの響きも やるせなく消えて
泣いて未練をヨー 告げるのに
かわいお前にゃ 何時また逢える
無事でいるなら せめての便り
海のカモメに 託してお呉れ
俺は待ってるぜ


5.夜霧のブルース

作詞:島田磬也
作曲:大久保徳二郎

青い夜霧に 灯影が紅い
どうせ俺らは ひとり者
夢の四馬路(スマロ)か 虹口(ほんきゅう)の街か
あゝ波の音にも 血が騒ぐ

可愛いあの娘が 夜霧の中へ
投げた涙の リラの花
何も言わぬが 笑って見せる
あゝこれが男と 言うものさ

花のホールで 踊っちゃいても
春を持たない エトランゼ
男同志の 合々傘で
あゝ嵐呼ぶよな 夜が更ける


6.錆びたナイフ

作詞:荻原四朗
作曲:上原賢六

砂山の砂を
指で掘ってたら
まっかに錆びた
ジャックナイフが 出て来たよ
どこのどいつが 埋めたか
胸にじんとくる
小島の秋だ

薄情な女(やつ)を
思い切ろうと
ここまで来たか
男泣きした マドロスが
恋のなきがら 埋めたか
そんな気がする
小島の磯だ

海鳴りはしても
何も言わない
まっかに錆びた
ジャックナイフが いとしいよ
俺もここまで 泣きに来た
同じおもいの
旅路の果てだ


7.王将・夫婦駒

作詞:大高ひさを
作曲:野崎真一

あばれ香車(やり)なら どろんこ桂馬(けいま)
乱れ角行(かく)なら むかい飛車(びしゃ)
坂田三吉 勝負にゃ泣かぬ
可愛い小春の ために泣く

駒を握らしゃ 将棋の鬼で
俥ひかせりゃ 甲斐性無(がしんたれ)
こんな男の 情にひかれ
今朝も小春の やつれ髪

勝てば王将 負ければ歩(ひよこ)
浪花 東京の 勝負どこ
命二つを 一つに燃やす
俺と小春は 夫婦駒


8.ささやきのタンゴ

作詞:石巻宗一郎
作曲:バッキ-白片

始めてひらいた 恋の蕾よ
人目をさけて 逢う今宵も
なんにも云えぬが 心の裡で
Darling, my darling, my sweet, I love you

小さな瞳が 囁きかける
ホールの隅に 咲く花びら
誰にも云えない 二人の秘密
Darling, my darling, my sweet, I love you

ほのかに燃えてる 愛の灯
あまえる君の いじらしさ
静かな木蔭に 寄り添い乍ら
Darling, my darling, my sweet, I love you


9.狂った果実

作詞:石原慎太郎
作曲:佐藤勝

夏の陽を 浴びて
潮風に揺れる 花々よ
草蔭に結び
熟れてゆく赤い実よ
夢は遠く 白い帆に乗せて
消えてゆく 消えてゆく
水のかなたに

人は誹(そし)るとも
海の香にむせぶ この想い
今日の日もまた
帰り来ぬ 夏の夢
熱きこころ 燃え上がる胸に
狂いつゝ 熟れてゆく
太陽の実よ

潮の香も 匂う
岩かげに交す くち吻(づけ)も
その束の間に
消えゆくと知りながら
せめて今宵 偽りの恋に
燃え上がり 散ってゆく
赤い花の実


10.500マイル

作詞:アメリカ民謡
作曲:アメリカ民謡

If you niss the train I'm on
You will know that I am gone
You can hear the whistle blow
A handred miles, a handred miles
A handred miles, a handred miles
A handred miles.
You can hear the whistle blow
A handred miles.

いつかどこか 見知らぬ町で
想い出すのさ 昔を
いつか どこか 見知らぬ誰れか
同じ心が 触れ合う

Lord, I'm one, Lord, I'm two
Lord, I'm three, Lord, I'm four
Lord, I'm five handred miles
from my home


11.もずが枯木で

作詞:サトーハチロー
作曲:徳富繁

もずが枯木で 鳴いている
俺らは 藁を たたいてる
綿引き車は おばあさん
コットン 水車も まわってる

皆んな去年と 同じだよ
けんども足りねえ ものがある
兄んさの薪割る 音がねえ
バッサリ 薪割る 音がねえ

兄んさは満州さ 行っただよ
鉄砲が涙で 光っただ
もずよ寒いと 泣くがいい
兄んさは もっと 寒いだよ


12.想い出

作詞:清水みのる
作曲:寺部頼幸

白波寄せる 渚に佇(たたず)み
想い出の 愉(たの)しき歌
口ずさめば
仄(ほの)かにも 浮かぶよ
いとしき影
君よ 帰り来て
聞きませ この調べ

星影淡き 渚に今宵も
忘れじの あの日の歌
口ずさむよ
そよ風よ 運べよ
君の胸に
熱き わが想い
とこしえ 変わらじと


13.二人の世界

作詞:池田充男
作曲:鶴岡雅義

君の横顔 素敵だぜ
すねたその瞳(め)が 好きなのさ
もっとお寄りよ 離れずに踊ろうよ
小さなフロアーの ナイトクラブ
夢の世界さ

僕の今夜の ネクタイを
嫉妬(や)いているのは おかしいぜ
君は可愛い 僕だけのものなのさ
ギターが酔わせる ナイトクラブ
影も寄り添う

逢えば短かい 夜だから
何も云わずに 踊ろうよ
淡い灯りが 又ひとつ消えてゆく
別れが切ない ナイトクラブ
恋のクラブよ


14.俺はお前に弱いんだ

作詞:石巻宗一郎
作曲:バッキー白片

「遅くならないうちに
今日はこのまま帰ろうね…」

つれないそぶり したけれど
俺の胸は 燃えている
好きだと云えぬ 何故云えぬ
古い傷あと あるからさ
ただそれだけ

「またここまで来てしまったね
じゃ おやすみ…」

いつも別れる さよならと
暗い露地の 曲り角
やさしく抱いて 何故やれぬ
うぶなお前を みつめたら
ただ泣けるぜ

「しょうがない娘だな
あまえてばっかりいて…」

今日も明日も あえるのに
無理を云って 困らせる
叱ってやれぬ 何故だろう
俺はお前に 弱いんだ
ただそれだけ